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特集 トラウマインフォームドケアと小児期逆境体験
児童福祉におけるトラウマインフォームドケア
Trauma-Informed Care in Child Welfare
野坂 祐子
1
Sachiko Nosaka
1
1大阪大学大学院人間科学研究科
1Graduate School of Human Sciences, Osaka University, Suita, Japan
キーワード:
Child welfare
,
Trauma informed care
,
Re-traumatization
,
Traumatic reenactment
,
Secondary traumatic stress
,
Parallel process
Keyword:
Child welfare
,
Trauma informed care
,
Re-traumatization
,
Traumatic reenactment
,
Secondary traumatic stress
,
Parallel process
pp.1127-1133
発行日 2019年10月15日
Published Date 2019/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205911
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抄録 虐待相談対応件数は増加しており,社会的養護にある子どもの多くが複数の虐待を経験している。トラウマ経験がある子どもの状態や行動を理解するには,トラウマの知識を持ってかかわるトラウマインフォームドケア(TIC)の視点が欠かせない。問題行動と捉えられやすい言動をトラウマの観点から見直し,トラウマ反応に対する適切な働きかけを行うことで,子どもの再トラウマを防ぐことができる。心理教育やリマインダーの同定,リラクセーションスキルの練習も有用である。支援関係においては,トラウマの再演など,支援者自身が巻き込まれ,傷つけられることも少なくない。またトラウマに関わる支援の中で,支援者も二次的外傷性ストレスを受ける。さらに,対象者,支援者,組織全体が類似したトラウマ反応を示すという並行プロセスが生じると,支援現場に不信感や疲弊が蔓延しやすい。TICは支援者や組織を守るものであり,児童福祉におけるTICの導入が期待される。
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