特集 患者さんと医療者の意向が異なる時のコミュニケーション技法 LEAP
Ⅱ.「病気じゃないからほっといて」と言う患者さんと信頼関係を築き、治療を導入するには
八重樫 穂高
1
1地方独立行政法人山梨県立病院機構山梨県立北病院・精神科
pp.22-35
発行日 2020年1月15日
Published Date 2020/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200704
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1.病識の有無を問題にするより、治療につながるほうが優先ではないか?
信頼関係を重視する文化がある病院です
山梨県立北病院(以下、当院)の紹介をさせていただきたいと思います。当院はスーパー救急病棟を2つ持ちながら、身体拘束が極めて少ない病院として、以前に『精神看護』にも特集していただいたことがあります。この原稿を執筆している時点で全病棟見渡しても拘束されている患者さんはいらっしゃいません。当院の場合は「拘束をなくすぞー!」とか、意気込んで特別な取り組みをしてきたわけではありません。ただ単に昔から拘束をしてこなかったという文化がそのまま引き継がれているだけと思われます。
そうした当院の背景を考えると、今回紹介させていただくLEAPのような、患者さんとの信頼関係を重視するという文化がもともと当院にはあったのかなと感じています。
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