Japanese
English
特集 コミュニケーション上手な医師になる
Editorial
良好な医師・患者関係を築くために
For Better Doctor-Patient Relationship
高久 史麿
1
1国立国際医療センター
pp.772
発行日 1995年9月15日
Published Date 1995/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901602
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
■本来医師と患者は対等である
医師・患者関係という言葉がよく使われるようになったが,医師・患者関係は基本的には人間関係である.ただ医師・患者関係といった場合,医師のほうは患者の病気を診断・治療する立場にあり,患者は病気を良くしてもらいたいという目的で医師を訪れるものであるから,常識的には医師のほうが患者よりも優位にあるということができよう.そのため患者に対して横柄な態度をとったり,乱暴な言葉遣いをしたりする医師がいたり,一方,患者のほうからは医師に自分の病気についていろいろなことを聞いたり,要求したりすることが難しいという状況があるのは事実である.
しかし患者がいなければ医師の必要性がなくなるわけで,その意味では医師という職業は患者がいてはじめて成り立つ職業であると言える.したがって医師と患者とは本来対等であるべきと考えられる.医師・患者関係も通常の人間関係と同一と考えるべきで,事実,患者と良い関係を保つことのできる医師は通常同僚の医師やナースとの人間関係も良好である.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.