連載 失敗事例に学ぶ 行動変容に必要なアプローチ・10【最終回】
信頼関係を築くには
日下 慶子
1
,
里村 一成
1
,
中原 俊隆
1
1京都大学医学部公衆衛生学教室
pp.232-237
発行日 2011年3月10日
Published Date 2011/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101555
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これまでの連載をとおして,トランスセオレティカルモデル(以下TTM)をはじめとする行動変容理論について学んできました。第10回となる今回は最終回として,保健指導に際しての援助者の姿勢について考えてみたいと思います。
保健指導の目標は,対象者に「行動を変えます」と言わせることではなく,対象者が「自分で考える」ことを手伝うことなのです。しかし,「健康で長生きするために」という理由づけだけでは,人の心は動かないことがあります。そこで,「行動の変化」を扱う面接法として,近年注目されている動機づけ面接法(Motivational Interviewing)の概念についてご紹介しましょう。テクニックや理論を知ることからさらに深めて,援助者としての姿勢,「傾聴」と「共感」について考えるために,保健指導の会話に焦点をあててみましょう。
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