症例検討 術前シミュレーション
awake craniotomy—患者との信頼関係を築くことが成功へのカギ
鎌田 ことえ
1
Kotoe KAMATA
1
1東京女子医科大学医学部 麻酔科学教室
pp.898-903
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200953
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症例
55歳の男性。身長163cm,体重65kg。生来健康だったが,2年前,仕事中に言葉が出にくくなった後に痙攣発作を起こし,頭部MRI検査で左側頭葉から頭頂葉にかけて腫瘍性病変を認めた。手術を勧められたものの,患者の希望で経過観察となり,カルバマゼピン(1日量として200mg)が処方された。
初回痙攣発作の1年後から,言葉の出づらさを自覚するようになり,頭部MRI検査で腫瘍性病変の増大が確認されたため,覚醒下開頭腫瘍摘出術を目的として当院を紹介された(図1)。患者は手術に関する情報を集めているものの,漠然とした不安を抱えていた。また,閉所恐怖症があり,外来では決まったMRI検査室でないと検査ができなかった。
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