特集 琵琶湖病院で始まっているオープンダイアローグを取り入れた日常診療
琵琶湖病院が、オープンダイアローグに開かれるまで
村上 純一
1
1医療法人明和会琵琶湖病院
pp.531-537
発行日 2019年11月15日
Published Date 2019/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200678
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過去から現在を振り返る
2001年:パワーに頼って精神医療を行っていた頃
ここから、少し痛みを伴いますが、過去を少し振り返りながらオープンダイアローグを導入するに至った経緯を紹介します。
かつて私は、精神医療には「強制的な処遇」「隔離」「拘束」「長期入院」が不可避だと認識していました。当事者の話す内容は理解ができないものであり、保護する役割は精神科病院の社会的必要悪のようなものだと信じていました。一時的に強制的に介入せざるを得ないことがあっても、やがて薬物療法と環境によって自分を取り戻し、多くの人は感謝して退院していく、そう考えていました。
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