特集 琵琶湖病院で始まっているオープンダイアローグを取り入れた日常診療
—琵琶湖病院のスタッフに聞きました。—「オープンダイアローグをやってみてどうでしたか?」
山中 一紗
1
1琵琶湖病院
pp.550-554
発行日 2019年11月15日
Published Date 2019/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200681
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圧倒されるような話をチームで、複数回聞く意味
山中さんが入職した2年前には、もう琵琶湖病院ではオープンダイアローグをベースにした治療ミーティングが始まっていたそうですね。参加した初期の頃の感想を教えてください。
(山中さん、以下同)最初に戸惑ったのは、長期入院中の方との対話でした。話をするニーズがないように見える人に、「話したいことが何かありますか」と問うことにすごく違和感があったんです。だけどそれは間違いでした。その人は語りたいことがあるのに諦めてしまっていたり、うまくこちらが引き出せていなかっただけだった。20年、30年入院させてきてしまった経過のなかで、外に出ることが怖くなってしまったとか、いろんな要因によって「語れなかった」だけなんだとわかったんです。
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