連載 栄養精神医学・10
精神科におけるビタミンD欠乏の潜在的問題
奥平 智之
1,2
1医療法人山口病院 精神科
2日本栄養精神医学研究会
pp.514-520
発行日 2019年9月15日
Published Date 2019/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200669
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「ビタミンD欠乏うつ」を問診で見抜く
ビタミンD欠乏がメンタル不調の一因となる可能性がある。筆者はビタミンD欠乏に伴ううつ状態を「ビタミンD欠乏うつ」*1と名付け、日常診療ではビタミンDのチェックリスト(表1)を用いてメンタルヘルスとの関連性をわかりやすく伝えている。
紫外線β波が皮膚に当たると、コレステロールからビタミンDが生成される。そのため、日照時間の短い季節や、過度な紫外線カットはビタミンD欠乏を引き起こしやすく、うつ状態につながることがある。冬から春にかけて心身の不調が多くなる患者には、ビタミンD欠乏がないか確認しておきたい。入院患者で注意すべきは、紫外線β波はガラスを貫通しないため、屋内で窓越しに日光に当たってもビタミンDは生成されないという点である。食事からビタミンDを摂取するには、サケ、マイワシ、サンマ、マガレイなどを意識して摂りたい。
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