特集 “精神看護”という、一見外側からは見えにくい学問を、学生にどうやって教えるか。
私が授業で使っている教材とその理由を紹介します—要は「いろいろ」。あらゆるものから着想は得られます。
近田 真美子
1
1福井医療大学
pp.321-325
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200374
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“精神”を教えるってどういうことなんでしょうね
精神看護学を学生に教える立場となり10年が経過した。科学的根拠に基づいた実践が重要視される医療現場において、精神という、一見外側からは見えにくい事象を取り扱う学問を学生に教えるのは、なかなか至難の業である。
精神看護学における知の力は、最終的には★1精神疾患という病を抱えた対象者を理解し、支援の手立てを構築するためにある。対象を理解する営みというのは、「知る」といった情報量の有無だけにとどまらない。そこには、人間が精神を病むという人間存在への本質的な理解が不可欠であり、そのためには、事象をさまざまな角度から検証するための肺活量が必要となってくる。また、講義や演習、実習を通して、学生自ら、精神疾患に対するイメージを検証し★2、専門職としてのあり方を模索する作業も必要になってくる。
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