特集 自殺発生→これが対応心得だ
グリーフケアとしてのエンゼルメイクをトレーニングする@紀の川病院
加藤 博之
1
1医療法人宮本会紀の川病院
pp.14-21
発行日 2017年1月15日
Published Date 2017/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200307
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エンゼルメイクは重要なグリーフケアだ
精神科における逝去(死亡)を考えてみると、その特徴として、「急逝されることが多い」という点が挙げられると思います。薬物療法のリスクに、精神科薬の長期連用から来る痛みの鈍麻によってご本人が身体症状を訴えず、気づきが遅れたり、薬が嚥下、循環器に影響を及ぼしたり、ふらつき、転倒するといったことが挙げられます。自ずとそれらを要因とした突然死や事故死が起こり得ますし、また稀ではありますが自殺に遭遇することもあります。
この予想しなかった急逝が、家族やスタッフへ与えるショックや悲しみは時として大きいものがあります。そうした時に、患者さんにエンゼルケアを施し、生前の穏やかな表情に近づけることは、看護師にとっても家族にとってもグリーフケアとして有効であり、精神科看護の一部だと考えられます。
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