看護キャンパス
翼のないエンゼル
日比野 路子
1
1華頂短大
pp.74-75
発行日 1966年9月1日
Published Date 1966/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912873
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卒業前の充実したひととき
4年間の看護学生としての生活を,クラスの一人一人が振り返ってみつめる時がきた。それは卒業の時であった。4年間を全寮制で生活をともにしてきたクラスメートはわずか20名になっていた。ちょうど入学時の半数であった。この20名が,臨床へ,公衆衛生へと,それぞれの行く道を決めねばならない。
就職という問題を前にして,友情を裏切るような人が出たり,お互いに4年間の生活で,何もかもわかっていたつもりのクラスメートの間に,心理的な動揺が起こった。そこで,社会の一員となる前に,もっともっとかしこくなりたい,巾広い視野をもちたい,それには尊敬する先生方のお話をききたいということになった。電話でご都合をおききしたり,授業後交渉したりして,夜をその時間にあてた。
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