特集 精神科ならではのファーストエイド(応急処置)と、とっさの声かけ
解説2
自傷・自殺を試みた患者さんに、医療者はどう対応すべきなのか
中村 創
1
1医療法人資生会千歳病院
pp.336-338
発行日 2016年7月15日
Published Date 2016/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200245
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大塚は、自殺未遂患者への対応の中での「してはならないこと」として、「安易な激励」「自らの価値で相手を説得する」「患者に話をさせない」「患者自身を批判・否定する」「カタルシスを精神状態の改善と勘違いする」*1を挙げています。患者さんの中で起こっていることを考えると、これらの対応が患者さんをさらに孤独にし、追い詰め、自殺の再発率を上げていることがわかります。本来、支援者である私たちは患者さんを孤独にするべきではありませんし、追い詰めるなど言語道断のはずです。しかし、現場ではこの「してはならないこと」を多く見かけます。なぜこのようなことが起こってしまうのでしょうか。その理由について考えてみます。
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