特集 子どもの自傷・自殺――小児科医にできること
3.子どもの自殺・自傷の精神医学
衞藤 暢明
1
,
石田 匡宏
1
,
浦田 裕美
1
,
川嵜 弘詔
1
1福岡大学医学部精神医学教室(精神科)
キーワード:
自殺未遂
,
思春期
,
自傷
,
薬物乱用
Keyword:
自殺未遂
,
思春期
,
自傷
,
薬物乱用
pp.1361-1367
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002376
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自殺関連事象のなかには,自殺既遂以外に自殺未遂や自殺未然,自殺念慮,自傷が含まれる.自殺未遂は将来の自殺に関する最大の予測因子であり,また自傷も自殺のリスクを高める要因である.子どもの自殺の危険因子は,成人と異なり,学校と家族に関するものが中心であり,また自殺の危険を少なくしていく場合に連携する支援者や社会資源も,成人と大きく異なる.自殺の危機や自傷が生じた際には,確実に精神科へのつなぎを行う必要があり,医療者だけに留まらない多職種・多機関の連携によって将来の自殺のリスクを低減させることになる.自殺の危機に対する小児科と精神科の連携のシステムづくりが求められる.
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