特集 精神科ならではのファーストエイド(応急処置)と、とっさの声かけ
解説3
患者さんの命にかかわる事故に遭遇した看護師をどうフォローすればよいか
中村 創
1
1医療法人資生会千歳病院
pp.343-345
発行日 2016年7月15日
Published Date 2016/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200246
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1.自傷・自殺が看護師に与えるすさまじいストレス
「看護師を続けていていいのだろうか」。そんな思いを持ったことが、私自身何度もあります。自身の未熟さを痛感する時、病棟に自分がいる意味を見い出せない時、思うように患者さんの回復が見て取れない時、などさまざまなことが背景となって、その疑問が私の中で浮かんでは消える、が繰り返されます。その中でも患者さんの命にかかわる重大な事故に遭遇すると、それは鋭利な刃物となって、私を容赦なく私を責め立てます。こうなると、心の声は自問自答といったレベルではなく「看護師を続けるべきではない」と、確信めいた内容に形を変えます。
ケース⑧のような事例に遭遇した方がいらっしゃるとするならば、そのストレスの凄まじさは当事者でなければわからないほどだと思います。
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