増刊号 精神科作業療法
第4章 精神科作業療法のフィールド
3 作業療法における自殺・自傷の理解と実際
岸 雪枝
1
Yukie Kishi
1
1兵庫医科大学病院
pp.860-866
発行日 2020年7月20日
Published Date 2020/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202193
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はじめに
わが国の自殺率の高さは,いうまでもなく深刻な社会問題の一つである.精神科領域だけにとどまらず,地域を含めどの分野でも自殺未遂者や自傷経験者に出会う可能性はあるのだが,「かかわるのに躊躇する」,「どう接したらいいかわからない」という悩みをしばしば耳にする.「自殺」,「自傷」という言葉に特殊性を感じ,触れてはいけない,触れるのが怖いと感じているのかもしれない.
本稿では日本の自殺・自傷の現状を大まかに示した後に,われわれが行っている研修会の紹介を通じて,OTの現状や対応のヒントを述べたい.また当院での取り組みや事例をお伝えし,今後の臨床の足がかりとしていただきたい.
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