研究
統合失調症患者に好意を向けられた精神科男性看護師の感情体験および看護師にとって安全なチーム構築の課題
清水 隆裕
1
,
入江 拓
1
1聖隷クリストファー大学看護学部
pp.614-620
発行日 2015年11月15日
Published Date 2015/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200161
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研究の動機
精神科看護師は、患者から好意の対象にされることをしばしば経験する。清水らが統合失調症患者に好意を向けられた女性看護師の感情体験について分析した結果、その感情体験は、患者から暴力を受けた精神科看護師の主観的体験と類似しており、かつ二次的外傷性ストレス障害様の反応を呈する場合もあった。そして女性看護師がこの体験を整理し、危機から脱するためには、「知識の獲得」と「周囲からのサポート」が必要不可欠であることが示唆された*1。
一方で、精神科病棟には多数の男性看護師も配置されているため、安全なチーム構築を考えるうえでは女性看護師の感情体験を扱うのみでは不十分である。そこで本研究の目的は次の2点とした。①精神科病棟に勤務する男性看護師が、統合失調症の患者から好意を向けられることによって、どのような感情を体験しているのかを明らかする。②女性・男性看護師それぞれの感情体験を踏まえたうえで、安全な看護チームを構築するための要点を考察する。
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