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●【主な論文】「臨地実習において安全でない看護学生の特徴:統合的文献レビュー」から
今回紹介しますJNEの記事は,カナダの研究者による文献レビューです。この記事では,“看護学士課程の臨地実習において安全でない学生”の特徴に関する文献から抜粋された11の文献(5つの理論文献と6つの研究文献)の知見が,統合的に報告されています。臨地実習を担当する看護教員の皆さんにとって,日頃から非常に心悩まされるテーマだと思いこの記事を選びました。英語の文献に記されている,臨地実習で安全でないとされる学生には,どんな特徴があるのでしょうか?
著者らは,文献検討の結果,安全でない学生の特徴として,「効果的に他者と関わることができない」「知識や技術が不足している」「専門職として不適切なイメージ」の3つの側面があると述べています。「効果的に他者と関わることができない」には,他の学生,指導教員,臨床指導者,患者など,他者とのコミュニケーションの仕方に問題がある場合(記述や口頭で十分に説明できない,質問したり援助を求めることができないなど)と,関係性を円滑に発展させることができない場合(患者とうまく関わることができない,教員からの助言を受け入れないなど)の2点があると述べています。また,「知識や技術が不足している」には,認識能力(知識,批判的考察,自己洞察)の不足と,技術を十分に実践することができないこと(患者のアセスメントと基本的なケアを系統立てて実践できないなど)の2点が,「専門職として不適切なイメージ」には,不適切な態度(失敗を繰り返す,相手を敬わない,怒った態度,自己防衛的である,自信過剰,自信不足,無関心),不適切な行動(不安などの感情をコントロールできない,準備不足,遅刻,いやなことから逃げる,規定外の処置をする),責任不足(重要な情報を報告しない,専門職としての境界を越えて行動する,不誠実,注意不足,違法行為)の3点があると述べています。
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