連載 「自殺者の少ない地域」のコミュニケーション力を考察する・1【新連載】
“閉鎖的”と“開放的”を分けるもの
森川 すいめい
1
1世界の医療団東京プロジェクト
pp.48-51
発行日 2014年9月15日
Published Date 2014/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689101368
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自殺者が少ない町を歩いてみた
日本の自殺者数は、1997年の2万4391人から1998年に3万2863人へと急増し、2011年まで3万人台が続いた。2012年~13年となって3万人を下回ったが、1997年以前の水準に比べると依然として高い(その頃も高かった)。
しかしその私たちの国にも、自殺者の割合がほかと比べると圧倒的に少ない地域がいくつかある。そのような地域の特徴は、岡檀の研究(『日本の自殺希少地域における自殺予防因子の研究』)によって見えてきている。研究によれば、「コミュニケーションが緩やかで量が多い」「人間関係は疎で、かつ、多い」「申し訳ないと思う人が少ない」「政治は自分たちで変えられると思う人が多い」「自殺をするのは仕方がないと思う人が少ない」「よそ者に寛容」「うつ病への偏見が少ない」などのいくつもの特徴があるという。
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