特集1 精神疾患の治療動向2013
うつ病―入院看護を捉えなおす
井原 裕
1
1獨協医科大学越谷病院こころの診療科
pp.20-27
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689101196
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うつ病の入院看護は、難しい状況に置かれています。患者の求めるものと、医療の提供できることとのあいだにはギャップがあります。しかも、患者も医師もそのギャップに、内心では気づいているのに、真剣に直面しようとしません。そのため、当初の入院の目的が次第に曖昧となり、いたずらに月日ばかりが経過していきます。
患者は症状に逃げ込む。医師は薬に逃げ込む。患者は治りたがらない。医師はそもそも治せない──こうやって意味のない入院生活が漫然と続けられることになります。
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