臨床からのOPINION
「現代型うつ病」をどう捉え、どう看護すればよいのか
小瀬古 伸幸
1
1一般財団法人信貴山病院ハートランドしぎさん
pp.54-56
発行日 2014年3月15日
Published Date 2014/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689101291
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臨床で勤務していると、執着気質やメランコリー性格のうつ病患者さんに接する機会は少ない。代わりに、うつ病という診断はついているものの、気分反応性があり、抑制症状や罪業感に薄く、回避行動が主体で、時に他罰的な、「現代型うつ病」といわれる臨床像に近い患者さんに接する機会が多い。そういった患者さんの看護を展開する時には、従来のうつ病看護の基本である傾聴・支持・共感だけでは太刀打ちできず、看護ケアに行き詰まりを感じることがある。
そこで本稿では、複数の文献と筆者の経験から、接する機会が多くなりつつある「現代型うつ病」の患者さんへ、看護師としてどのような対応の可能性があるのかを考えてみた。まずは、典型的な一例を提示することから始めることとする(以下の事例は、実際に経験した複数の事例を基に典型例を作成した)。
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