連載 気持ち悪い模様・16
気持ち悪い文字 その3
綾屋 紗月
pp.102-103
発行日 2011年9月15日
Published Date 2011/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100926
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私は英文が読めません。その理由として前回、「英文テキストの文字の縦線ばかりが目に飛び込んできてチカチカしてしまう」と述べました。しかし実は縦線ばかりではありません。縦線のほかにも丸いカーブや、文字の線の端につけられる線・飾り(「セリフ(Serif)」と言います)といった、各アルファベットに共通するいくつかの基礎的な模様に分解してとらえる傾向が、私にはあるのです。しかも、どの模様を抽出するかが高速で入れ替わるために文字がちらつき、一文字一文字を判別しづらくなります。縦線だけでも十分チカチカする上に、分解した他の模様との入れ替えも生じるので、紙一面の長い英文が引き起こすちらつきは耐えられたものではありません。おそらくこの現象も、以前「フォーカス機能」の回でお話しした、「全体よりも部分にフォーカスした情報をたくさん摂取する」という私の特徴と関係しているだろうと考えています。
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