焦点 拘置所の23日間 孤立とつながりについての体験的考察 第2回
「救い」としての取り調べ
尾上 義和
1
1社会福祉法人藤沢育成会
pp.84-92
発行日 2011年5月15日
Published Date 2011/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100863
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最後のタバコを吹かしながら、拘置所へ向かう車から流れる風景を眺めた。だが、この風景からは、どことなくいつもとは違った世界を感じる。このタバコは、私の横にいる事務官から「拘置所では吸えないから1本吸っておきますか?」と言われ、もらったものだった。
やがて、車が止まると同時に、ドンと物が当たる音がした。窓を見ると小型ビデオカメラを窓の外に押しつけている男がいる。マスコミだ。
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