連載 教育と研究,臨床をつなぐメッセージ やっぱり私は,看護師だった!・8
看護師であるからこその苦悩とわずかな救い
那須 あい
pp.695
発行日 2011年8月25日
Published Date 2011/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101853
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3月11日の大震災は,断水や計画停電や放射能漏れの混乱のなか,なんとかやりすごした体験であって,まだとても咀嚼しきれていない。でも,逃げられないテーマとして,書けることを書く。
あの日から3月末まで,私は,首都圏の外来で働いた。4月以後は教員。阪神・淡路大震災のときも3月まで臨床で4月から教員。新潟県中越地震のときは教員。そんな私は,臨床での日常のほうが,教員の日常より,いくばくか救いがあったと感じている。なぜなら,臨床では,勤務に穴をあけないこと,災害支援に行く人を補う要員でいようとすること,震災に関連し混乱している目の前の患者に最善を尽くすこと,そういうことが,被災者への看護につながっていると感じられたから。
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