書論 その後の不自由
当事者研究の夢は限りなく広がる
伊藤 絵美
1
1洗足ストレスコーピング・サポートオフィス
pp.81-86
発行日 2011年3月15日
Published Date 2011/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100840
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不自由な母のこと
本書『その後の不自由』を手にとって読み始める前に、書名から連想してまず私の頭に浮かんだのは母親のことだった。
私の母は専業主婦として3人の娘を立派に(?)育てたあと(ちなみに私は長女)、それなりに生活を楽しんでいたのだが、諸事情により夫(私たちの父親)と別居を経て離婚し、今は私の自宅の近くで1人暮らしをしている。数年前に難病指定されている整形外科系の病気にかかり、大きな手術を受けた。その後足が不自由になり(杖でようやく短い距離を歩ける程度)、また身体のあちこちがひどく痛むようになり、障害者認定を受けることとなった。
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