連載 精神看護INDEX その「領域」の動向がわかる・3
高齢・療養・身体合併症
長井 由樹美
1
1医療法人恒昭会青葉丘病院精神科
キーワード:
認知症
,
BPSD
Keyword:
認知症
,
BPSD
pp.104-105
発行日 2011年3月15日
Published Date 2011/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100836
- 有料閲覧
- 文献概要
認知症は、中核症状(見当織障害や記憶障害、判断力の障害、実行機能の障害など)と、周辺症状(徘徊や妄想、せん妄、不安感、鬱状態、不眠、拒絶、暴言暴力といった攻撃的行動、収集、不潔行為、異食などの行動など)に区別されています。この周辺症状である精神症状を総称して、BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)と呼んでいます。
家族にとっても医療者にとっても、BPSDの出現時期にかかわることは、ものすごくエネルギーのいることです。①身体疾患が混在している、②ホメオスターシス(恒常機能)が低下している、③身体・精神・生活面の相互影響性が強い、④死を迎えつつある段階という状況のなかで、BPSDの症状に振り回されず、基本的な観察事項をチェックし、根気よくかかわらなければ、その人らしさは理解できませんし、身体疾患も見逃しかねません。
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.