連載 いつでも・どこでも・かんたんチーム医療・1【新連載】
「身の丈医療」の扉を開く3本の鍵─「捨てる・喜ぶ・思いやる」
趙 岳人
1
1医療法人健生会明生病院・精神科
pp.81-87
発行日 2010年5月15日
Published Date 2010/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100716
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自然にはじまった「ゆる~いチーム医療」
一人ひとりが宝
「難しく考えずにもう少し簡単に考えてみよう。三人寄れば文殊の知恵、三人寄ればチーム医療。お互いに助けあって、目の前の患者さんのために、働く仲間のために、今ここで出来ることからはじめよう」……。これは、試行錯誤をくり返しながら職員みんなで少しずつ工夫を重ねてきた明生病院の「ゆる~いチーム医療」の基本的な考え方です。
昨年4月に病に倒れてそのまま帰らぬ人となった前院長は、当院の基本理念・基本方針の中でも特に「働きがいのある職場」であることの大切さをことあるごとに話してくれました。そして口癖のように「せっかく働くなら少しでも明るく楽しい職場のほうがよかもんね……なんでん難しく考えなすな(何でも難しく考えてはいけないよ)」とつぶやいておられました。おおらかで好奇心旺盛な一面をもつ前院長の優しい人柄は、私たち職員の良き手本でもありました。
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