特集 地域の活性化に病院は貢献するか
【病院が主体となった地域振興事例】病院から発信する地域振興策とその意味
神野 正博
1
1特別医療法人財団董仙会恵寿総合病院
pp.232-234
発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100297
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日本の高度成長は終わり,縮小経済とともに少子高齢化が世界でも例を見ないスピードで進もうとしている.このような中,病院が直面する数多くの課題の中で,マーケティングの視点では有病率,受診率などを検討する以前に分母としての地域の人口,人口構成は大変大きな問題である.また人材確保の視点からしても,サービス提供者としての地域の人口,人口構成は極めて大きな問題となるのである.ならば,地域は活性しているか,地域に魅力があるか,そしてその結果として地域に人が集まってくるかが病院経営の中で重要な問題となってくるはずである.地域の活力なくして,病院の活力はありえないと考えられるのである.
私どもが位置する石川県能登半島の七尾市は人口62,000人(合併後),高齢率25.2%であり,確実に人口減少,少子高齢化が進んでいる地域である.また医療圏として設定する能登半島全体を見ても人口 22 万人は減少し続け,既に高齢化率が40%を超える地域も出現しているという危機的といってよい地域なのである.
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