特別記事
―精神看護学の授業に悩みを感じている先生たちへ 2回連続その2―《実習指導編》指導が指導になるとき・ならないとき―学生が看護を学ぶとはどのようなことなのか
目黒 悟
1
1藤沢市教育文化センター
pp.65-70
発行日 2008年1月15日
Published Date 2008/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100475
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臨地実習では何が学ばれているのか
ある中堅看護師対象の研修会でカード構造化法を行なったときのことです。もともとカード構造化法とは、授業リフレクション*1の方法の1つで、授業の印象をカードに書き出し、それを二分法で整理しラベルを付けていくことで、自分の授業の構造や学生を見る見方など、自分のもっているさまざまな枠組みを「自分のことば」で確かめていく方法です。ここでは、中堅看護師の皆さんに、多忙な日常のなかでしばし立ち止まり、自分の看護実践を見つめ直すことを通して元気を得てほしいと考えました。そこで、カードの記入にあたって思い浮かべてもらうことにしたのが、「私を育ててくれた患者さんとのかかわり」でした。
当日は百数十名の参加があったのですが、カード構造化法の結果には、その人が患者とどのようにかかわり、そこで感じたことや気づいたことがさまざまな「ことば」で表現されていました。また、そこにはその人の看護実践の“今”を支える軸となっているもの、すなわち看護観を形づくっているものがはっきりと表れていました。自分自身の大切にしている看護、大切にしたい看護を再確認することができたことで、多くの参加者が明日からまた頑張ってみようという気持ちになってくれたようでした。
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