特別記事
デイヴィッド・ヒーリー教授 来日講演印象記 科学の外観をまとったグローバル・ビジネスとSSRIを巡る論争
田島 治
1
1杏林大学
pp.78-81
発行日 2007年3月15日
Published Date 2007/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100364
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長らく医学の進歩から取り残された感もあった精神医療の世界も、新規向精神薬の登場とともに、過去10年大きな変貌を遂げつつあります。精神科クリニックが急増し、昨年度の調査では精神科で治療を受けている患者の数は300万人近くに達しました。なかでもうつ病と診断され治療を受けている人の増加は著しく、90万人以上と推定されています。
新規薬剤の裏にある世界規模のマーケティング
新規薬剤の登場に伴い、第一世代の薬剤の多剤大量療法から合理的な薬物療法への移行、科学的な根拠(エビデンス)に基づいた医療の実践が提唱され、驚くほどの薬剤情報が、さまざまな講演会や雑誌、パンフレット、インターネットのホームページやメール配信、テレビやラジオでの疾患啓発などの形で発信されるようになり、ますますエスカレートしつつあります。
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