連載 宮子あずさのサイキア=トリップ・52
ヒトは訓練でどこまでなんとかなるのか
宮子 あずさ
1
1東京厚生年金病院
pp.124-125
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100293
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あまりに「浅い」人たち……
この春は、本当に大荒れの春でした。皆さんの病院はいかがでしたか? 躁状態で落ち着かない患者さんがわんさか入り、雄叫び、大泣き、卑猥な言動と、なんでもあり。病棟全体がわさわさしてくると、医師の判断もいささか甘くなり(というか、慣れてしまって)、通常なら外来から閉鎖病棟に転送するような患者さんまで、無理矢理病棟(当然開放の……)にあげてしまいます。そして、一騒ぎされたあとに転院先を探しても、どこも満床。最後の手段である日中施錠まで繰り出す始末です。
外来患者さんにもこの波はあったようで、自殺という最悪の報告も聞きました。以下は、その事実を知った、別の患者さんの言葉。
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