連載 悩めることも才能だ!―宮子あずさのお悩み外来⑤
痛みには,どこまで耐えればいいのでしょう
宮子 あずさ
1
1東京厚生年金病院
pp.442-443
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100082
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- 文献概要
モルヒネを拒む患者さんがおられます.つらくても笑顔を絶やさない人格者で,医師とも看護師とも非常に関係はいいと思います.知的レベルも高く,モルヒネの効能については十分に理解しているようですし,いたずらに命を縮めるとは思っていません.それでも使いたくないとおっしゃいます.
いろいろアプローチした結果,どうやら患者さんにとっては,痛みに耐えることに意味があるようだ,そんな結論になってきました.これはもう患者さんの信条なので,無理強いはできませんが,医療者としては,患者さんが痛みにもがき苦しむ様子を見るのがつらいのです.
あくまでもモルヒネを使うよう説得するのが,医療者としての誠意なのでしょうか.日々悩んでいます.(20代女性・内科病棟)
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