連載 機能訓練事業の危機・2
介護保険に揺らぐ機能訓練事業をなんとかしよう—保健所の立場から
柳 尚夫
1
1大阪府池田保健所
pp.822-825
発行日 2001年11月15日
Published Date 2001/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902616
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平成12年より全国の市町村が,厚生省の通知により,介護保険で要支援以上の認定を受けた住民を老人保健法による機能訓練の対象から外しつつある.このことは,機能訓練事業(以下,本事業)の運営主体である市町村や利用者の間で,混乱を呼び起こしている.
介護保険導入で,サービスの選択利用ができるはずが,国の「同種のサービスの重複利用はまかりならん」という考え方と本来の地域リハビリテーション(以下,地域リハ)への理解不足が,このような通知の形となり,地域を混乱に陥れている.そのマイナスの影響が,脳卒中後遺症者の社会的リハビリテーションの分野で徐々に出てきている.市町村を支援し,「地域リハ支援体制整備推進事業」を展開することで,地域リハシステムを構築するべき保健所の立場から,問題を整理し,今後の本事業のあり方について述べる.
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