連載 精神看護キーワード事典・2
アディクション―久留米保険金殺人事件にみる関係性への依存
萱間 真美
1
,
安田 美弥子
2
1聖路加看護大学・精神看護学
2順天堂大学医療看護学部
pp.76-81
発行日 2004年7月1日
Published Date 2004/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100245
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どうしてもそうしなくてはならないという感覚
「ロード・オブ・ザ・リング3―王の帰還―」を観た。3時間以上もある長い映画で,その前の2編を合わせると10時間余という長さだ。最初の2編を見たから,ぜひその続きを見届けたいという興味はもちろんあったのだが,どこか「3編とも見なくてはならない,原作も全部読まなくてはならない」という強い意識があったことも確かである。この「観なくてはならない」「読まなくてはならない」という意識は,どこから来たものかはっきりしない。映画会社の宣伝,テレビの予告編,その他もろもろの宣伝に乗せられたのかもしれないし,あるいは自分自身で思い込んでしまっただけなのかもしれない。
それでも,娘の受験シーズン真っ只中に映画の公開を大事件としてとらえ,受験のために公開から1か月あまりも映画がみられないことはつらい「我慢」であると感じ,合格発表の前日に夜半まで映画を見るために走る,というのは,はたからみたら「なぜ,そこまで」と思われるような行動に違いない。
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