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特集 第45回日本臨床眼科学会講演集(4)1990年10月 広島
学術展示
都城市と久留米市におけるHTLV-Ⅰキャリアとぶどう膜炎に関する血清疫学調査
Seroepidemiological study of uveitis associated with human T-lymphotropic virus type Ⅰ(HTLV-Ⅰ) in HTLV-I high endemic area and less endemic area
白尾 真
1
,
吉村 浩一
1
,
望月 學
1
,
荒木 新司
2
,
宮田 典男
2
,
山口 一成
3
Makoto Shirao
1
,
Koichi Yoshimura
1
,
Manabu Mochizuki
1
,
Shinji Araki
2
,
Norio Miyata
2
,
Kazunari Yamaguchi
3
1久留米大学眼科
2宮田眼科病院
3熊本大学輸血部
pp.848-849
発行日 1992年6月15日
Published Date 1992/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901187
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- Abstract 文献概要
目的 Human T-lymphotropic virus type Ⅰ(HTLV-I)は,成人T細胞白血病(ATL)や痙性脊髄麻痺(HAM/TSP)の原因ウイルスであることが知られている1,2)。最近眼科領域においてHTLV-Ⅰ無症候キャリアにぶどう膜炎を伴う症例が報告3,4)されているが,HTLV-Ⅰとぶどう膜炎の関係はいまだ明らかではない。そこで今回はこの関連性を明らかにするために,HTLV-Ⅰ高浸淫地区の九州南部,および九州北部の2地域において,ぶどう膜炎を含めた種々の眼疾患患者の血清抗HTLV-Ⅰ抗体陽性率を血清疫学的に調査したので報告する。
対象と方法 過去2年間に,宮田眼科病院(宮崎県都城市),久留米大学眼科(福岡県久留米市)を受診し血清抗HTLV—Ⅰ抗体を測定しえた種々の眼疾患患者(各施設488例と288例)を対象とした。対象症例は以下の3群に分けて検討された。A群)眼科的・全身的検査でも原因が不明であったぶどう膜炎群(153例と72例),B群)ベーチェット病,フォークト・小柳・原田病,サルコイドーシスなど原因の明らかなぶどう膜炎群(74例と56例),C群)白内障や緑内障などぶどう膜炎以外の眼疾患群(261例と160例)である。
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