想園
癌看護の苦しみ
高橋 加津子
1
1国立がんセンター
pp.69-70
発行日 1964年9月1日
Published Date 1964/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912371
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“癌”何んというおそろしいコトバでしょうか。私が当センターに勤務して2年になりますが,日ましに恐怖と怒りがつのるばかりです。そして,解決のできない現在の医学に対して,たとえようもない腹立たしさを感じるのです。癌年齢が,30歳,20歳と若い人たちにみるにつけ,私の苦痛はつのるばかりです。看護学院を卒業する時は,強固な意識と希望それにセンチメンタルなかけらを胸にいだいていたのでしょうか。
癌という病の看護に,少なからず期待をかけて就職したのですが,それは悪魔のような癌細胞の恐怖を知らなかったためでしょう。
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