書論 『ナイチンゲール 神話と真実』
ナイチンゲールの復讐
大北 全俊
1
1ベルランド看護助産専門学校
pp.104-110
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100129
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ナイチンゲールとの出会い
わたしは、看護師ではない。
介護など、「ケア」と呼ばれる仕事に従事したこともない。わたしのしてきたことといえば、「哲学」の研究や、非常勤講師――哲学・倫理学をはじめいろいろ――などである。
そんなわたしがどうしてナイチンゲールの『看護覚え書』を手にとることになったのか。それは、看護学校で倫理学についての授業を受け持つことになったから。「看護といえば、ナイチンゲールだろう」。看護学校に行く前に、せめてナイチンゲールの本の1冊でも読んでおこうと、『看護覚え書』を手にとった。動機はかなり短絡的である。
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