ナイチンゲールに関する2,3の資料紹介と考察
Ⅱ.ナイチンゲールとナイチンゲール養成学校について
柴田 寿子
1
1東京女子医科大学病院付属高等看護学校・看護短期大学
pp.116-121
発行日 1974年2月25日
Published Date 1974/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906749
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はじめに
フローレンス=ナイチンゲール(1820-1910)は,看護は何をすべきか,基本的原則を知って,看護の本質的な働きを知り,それを身につけている人を看護婦であると考えていたので,看護婦の教育を大変重視し,‘訓練された看護婦’を社会に送り出すこと,そして,看護の基本的原理をどのように学生に学びとらせるかということが,最も重要なポイントであったということである1).
ケインズ内科学辞典に載せられた2編の記事,‘看護婦の訓練および病人の看護’(1882年)の中で,看護婦教育についての基本的考え方と具体的な教育技術について語っているという.‘看護婦教育はその早期が最も大切であり,その第1は学生に看護についての興味をもたせることである。看護婦は看護に興味をもっているが,学生にははじめからその妙味がわかるはずがない.そして学生にはその学生が担当している臨床の事例に興味をもてるように眼を開いてやらなくてはならない.そうすることによって看護と教育の効果はぐっと高まるのである’1)という彼女の説は,臨床指導にあたる者にとって金言である.
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