特集1 はじめての抗精神病薬「副作用」マニュアル 前編
➂循環器系
隔離室症候群
長嶺 敬彦
1
1吉南病院(内科)
pp.40-42
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100119
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知らないでは済まされない
「身体拘束の盲点、精神科でエコノミー症候群、4人死亡、氷山の一角か」という見出しで、近頃、精神科での肺動脈血栓塞栓症による死亡例が新聞報道されました*1。東京都監察医務院の報告をもとに追加取材した内容の記事でした。
たしかに精神科治療がリスクとなり、肺動脈血栓塞栓症を発症することがあります。突然死の中で肺動脈血栓塞栓症は頻度が高いのです。しかし日常の精神科臨床で肺動脈血栓塞栓症に対して、十分な注意が払われているとはいえません。鎮静の強い抗精神病薬を大量に使用し、身体拘束をした結果、患者さんが肺動脈血栓塞栓症を起こしたら、専門職としてこの病気を知らなかったでは済まされないのです。
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