特集1 看護がはじめる「認知療法」 幻聴・妄想への新しいアプローチ
―認知療法がひらく精神科看護の新常識―幻聴の存在を肯定し、そのつらさを看護の対象にする
前川 早苗
1
1三重県立こころの医療センター
pp.22-26,27-28
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100059
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幻聴に苦しんでいる患者さんへの看護ケアは今、変化のときであると実感する。
まだ若かりし十数年前に学校の授業で教わったのは、幻聴については「その内容を確信づけることになるので」なるべく触れない、といったことであった。そして、私は2005年度の精神看護学会において、幻聴に対する認知療法を取り入れたケアに関して発表したのだが、その際にも参加者から、「(幻聴には)否定も肯定もしないはずですよね」「幻聴のことを話し合ってもよいのでしょうか」「症状が悪くなってしまいませんか」といった質問を多く受けた。
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