Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「生きたい」―生き抜くことを断固として肯定する視線
二通 諭
1
1千歳市立北進中学校
pp.589
発行日 1999年6月10日
Published Date 1999/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108999
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障害者を肯定的な存在として描く映画が怒濤のように作られた90年代ではあったが,精神障害者だけは蚊帳の外というか,逆風が吹いていた.映画のなかの精神障害者といえば異常な犯罪を引き起こすサイコパス.大多数のまっとうな精神障害者は物語性が少ないためなのか無視されてきた.しかし,ここへきてようやくごく普通の精神障害者が登場.
「生きたい」(監督/新藤兼人)は,老いの問題を扱った作品だが,73歳の父安吉(三國連太郎)と暮らすのが躁鬱を自称する長女の徳子(大竹しのぶ)で,地域の精神障害者の作業所にも通っている.
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