特集 訪問看護と栄養管理・1
栄養アセスメント:身体計測の実際
有澤 正子
1
,
青柳 清治
1
1ダイナボット株式会社医薬品事業部本社
pp.863-870
発行日 1999年11月15日
Published Date 1999/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901904
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栄養アセスメントとは,身体計測(A),生化学検査(B),臨床診査(C),食事摂取調査(D)などの項目に加えて,栄養状態に影響する環境要因(E),心理要因(F)を考慮して総合的に評価・判定することである.これらは各項目の英語の頭文字を取って栄養アセスメントのABCDEFと呼ばれている(図1).したがって,栄養アセスメントをすることにより,患者個人の栄養状態に対する多面的な栄養介入が可能となる.特に栄養療法では,栄養アセスメントから得られる情報は,患者の栄養状態,必要栄養素量の決定,適切な投与経路の選択のために重要な情報となる.また栄養療法が施行された後も,その効果をモニターし,患者の状態の変化に合わせて栄養素投与量,投与速度,投与経路の変更等を決定する際に大変有効である(図2).
しかし,日本における栄養素の投与量の決定は,健康な人の栄養所要量を目安にしたり,医師や看護婦の経験に基づくのが現状であり,個々の患者に適した栄養素量を投与している例は少ない.個々に必要な栄養素量は疾病や心理的・肉体的ストレスによって増大するほか,加齢,服用中の医薬品による消化・吸収能の変化などからも影響を受けるので,個人差がある.そのため栄養素の投与量が必要量を満たさず,栄養療法を受けながら栄養不良に陥っている例も少なくない.したがって,患者各々の栄養状態を把握し,それぞれに必要な栄養素量を決定した上で栄養介入を行なうことが大切である.
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