特集 訪問看護と栄養管理・1
栄養管理の知識を看護ケアにどう生かすか
野中 靜
1
1慶應義塾看護短期大学
pp.857-862
発行日 1999年11月15日
Published Date 1999/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901903
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
はじめに
高齢者の最大の栄養問題がたんぱく質・エネルギー低栄養状態(protein energy malnutrition,PEM)であることは,わが国の最近の調査において明らかにされています1).そしてPEMは,入院高齢者に限らず在宅訪問ケアを受けている高齢患者においても約3割の頻度で観察されています2).成人期では過剰栄養による生活習慣病が問題視される反面,虚弱や疾病をもった高齢者の栄養状態の低下に対する関心と対策は,保健医療従事者間において未だに高くない現状にあります3).
一方,栄養補給法の進歩により,経腸栄養や静脈栄養を受ける人は,在宅療養患者にまで幅広くおよんでいます.そのため,訪問ケアを担当する看護・介護者は,経口摂取の援助から静脈・経腸栄養の管理に至るまでの対応を迫られています.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.