口絵 続・写真解説看護技術・22
身体各部の計測法
伊藤 幸子
1
,
三浦 澄子
2
1東京大学分院
2東京大学衛生看護学科第3講座
pp.5-16
発行日 1961年2月15日
Published Date 1961/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911252
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身体及びその一部の形や大きさ(重さ,長さ,高さ,巾,厚さ,周径等)を計測器を用いて測り,これらを数的に客観的にあらわすことが身体計測であるといえる。
浮腫のある患者の体重や腹囲,下肢囲を計測して,浮腫の程度について毎日観察を行うこと,ある乳児の発育が正常に進んでいるかどうかを見るために,月々体重や身長等を測って,他の一般同年令の乳児の発育と比較してみること等,身体計測を利用する場合は,実際において非常に多い。同一人についてある大きさの変化を見るために,また,これと他のものとを比較するために,身体計測を行い,これによって得た値を基にして,いろいろなことを判断するのであるから,これが正確になされるためには,大きさを計測する方法が,行う人に左右されず,常に共通一定のものであるべきなのは当然で,各人が各様に計測してあらわした値を比較したり利用したりすることは無意味であろう。また測定値には,計測者側及び被計測者の条件がいろいろと影響するので,比較を無意味にしたり問違わせたりする測定条件の変化はさけなければならない。計測方法及び条件を常に共通一定にして計測するということは,易しいようで実際行ってみると案外むずかしいことなのである。条件として考えねばならぬことは,例えば
1.計測点のきめ方
2.計測器の精度
3.計測者の個人誤差
4.被計測者の体位或は姿勢
5.着衣の程度
6.時期(朝か夕か,食前か食后か等)
等である。
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