特集 在宅をめぐる「食」の話題
在宅訪問栄養食事指導における課題と提言
田中 弥生
1,2
1医療法人新都市医療研究会「君津」会南大和病院栄養科
2全国在宅訪問栄養食事指導研究会
pp.888-894
発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100580
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はじめに
1994年10月の社会保険診療報酬改定にともない,在宅訪問栄養食事指導料が新設された。これは,在宅で療養する通院困難な患者に栄養食事療法が必要な場合,管理栄養士が自宅を訪問して栄養食事指導を行なう際に算定される。また,2000年4月1日に施行された介護保険法の居宅療養管理指導にも,在宅訪問栄養食事指導が設定された(図1,2)。
これらは在宅医療・介護に必要なサービスとして社会的にも認知され,管理栄養士の積極的な参画に期待が寄せられている。私たちは専門職として,「食」に関する知識と情報を活用しながら在宅での栄養管理を行ない,わが国の構造改革・高齢化社会へどのような貢献ができるかを探りながら訪問栄養食事指導を行なっている。
しかし,在宅訪問栄養食事指導における栄養管理は利用率が低く,伸び悩んでいるのが現状である。そのため,地域によっては人材確保が難しく,訪問看護師や介護職がその役割を担っている場合も多い。
そこで,本稿では現在の訪問栄養食事指導の問題点と今後の課題について述べ,続く特集では訪問栄養食事指導で活躍している管理栄養士が各論を執筆している。本特集が在宅療養者の「食」に関わりをもつ看護,介護職の皆さまの日々の訪問活動の一助となり,これにより訪問栄養士との連携がさらに進むよう願っている。
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