研究・報告
介護力不十分な在宅療養者のターミナル支援―現行制度の最大限の活用を通して
尾台 安子
1,2
,
見村 早苗
3
1前:松本市医師会訪問看護あいステーション
2現:松本短期大学介護福祉学科
3松本市医師会訪問看護あいステーション
pp.343-348
発行日 1997年5月15日
Published Date 1997/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901658
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はじめに
老人訪問看護制度が1992年に確立され,急速な高齢化社会に対応すべく,在宅ケアの充実推進が図られてきている.その後1994年には新ゴールドプランが策定され,年々訪問看護の充実も図られるようになってきた.1996年の4月からの(老人)訪問看護療養費の改定では,それまで週3回までだった訪問看護の枠が,急性増悪等により特別(老人)訪問看護指示書の交付を受けた場合,14日間までは制限なしで訪問できることになった.このおかげで私達も責任を持った訪問看護ができるようになって喜ばしいことと思っている.
当ステーションは平成7年5月に開設された医師会立のステーションである.比較的重症者は少なく,ターミナルに至るケースでも徐々に状態悪化をきたし,老衰による終焉を迎える方が多い中で今回,初回訪問からの3か月間にめまぐるしく症状の変化を起こしターミナルに至ったケースの訪問を担当した.本人の家に居たいという気持ちを尊重し,本人の強い精神力に支えられ,十分な介護力の得られない状況下ではあったが,現行制度を最大限に活用し,主治医との連携と協力のもとに在宅療養を支え,ターミナル支援を行なうことができたので,ここに報告する.
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