特集 在宅看護論臨地実習にどう対応するか
臨地実習をどう展開していくか―訪問看護ステーションでの2週間の実習の実際と基本的考え方
柳原 清子
1
1日本赤十字武蔵野女子短期大学老人看護学教室
pp.188-192
発行日 1997年3月15日
Published Date 1997/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901628
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はじめに
本学の老人看護実習は,平成8年度から大幅な実習システムの変更を行ない,病棟実習に代わって,訪問看護ステーションで看護過程を用いての実習を展開した.この転換にあたって基本となった考え方は,(老人)看護の実践モデルを「医学モデル」ではなく「生活モデル」1)でとらえようというものである,これまでの実習では,老人を「老化した患者」と捉え,「してあげる的」な操作性の強い援助思考が見られていた.その人の持つ力に注目し,協働作業的援助(以前は自然治癒力を助ける援助と言われ,最近はエンパワーメント2)3)4)という概念で語られているが)を真に学ばせるには「生活モデル」で実践が為される場で実習をするのが最適と判断したからである.
本論では,在宅看護論を「生活モデル」での援助のとらえとかみ合わせながら述べると共に,本学の訪問看護ステーションでの実習の実際を紹介する.その上で訪問看護ステーション実習の有効性と限界について述べる.
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