連載 在宅で必要なクスリの知識と服薬のコツ・5
パーキンソン治療薬[後篇]
藤澤 節子
1
1ひまわり薬局
pp.665-667
発行日 2002年8月15日
Published Date 2002/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901538
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
パーキンソン病患者の闘病生活
在宅にうかがうと,嚥下障害によって胃瘻が造設されている患者さん,排泄障害があるため留置カテーテルが入っていたり,オムツをあてられている患者さん,呼吸を確保するため気管切開されている患者さんなど,重症度の高い患者さんが療養されています。パーキンソン病が進行してくると,長い闘病生活の後,食べることもできず,立つこともできず,寝たきりの状態となります。そのような状態になるまで,服薬管理をしたり,ADLの低下を防ぐためにリハビリをしたり,ご本人も,療養にかかわるスタッフも,数しれない努力を続けますが,いずれ病気の進行をコントロールできない時期が訪れます。前回にもご覧いただいた重症度分類(表1)のYahr Vの状態です。
全介助状態にあっても,パーキンソン病の患者さんは,肺炎や褥瘡・尿路感染などの合併症が発症しない限りほぼ天寿をまっとうされます。しかし,長期に及ぶ闘病生活の間には数多くの問題が発生します。服薬も含めて,一例一例,患者さんの状態に合わせた対応が必須です。病気の性質上,療養スタッフによる精神的ケアも重要です。常に励まし,できるだけ患者さんの希望をかなえることが基本となります。どの患者さんを見ていても,周囲の人々の暖かい励ましがあるからこそ,長い闘病生活を頑張りぬけるのだと思います。
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.