連載 快適な療養生活のために―生理人類学への招待・15
看護と接触
川出 富貴子
1
1愛知医科大学看護学部
pp.498-502
発行日 2002年6月15日
Published Date 2002/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901510
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はじめに
苦悩を持った人々に手を差し伸べ,萎縮し傷ついた心に希望を呼び起こし,非日常的になりがちな“病み”や“老い”の場面に日常性・快適性を取り戻すように働きかけることは,看護における最も重要な役割といえます。
看護の原点である身体に触れる行為としての「接触・触れるということ」「手を使うこと」は,とりもなおさず,患者がこの日常性・快適性を取り戻すきっかけとなり,また,手を使うそのことは日常性そのものでもあります。さらに,手をかけるということは,同時に愛をかけることにもなります。接触と快適性の関連は,看護生理人類学における重要な観点でもあります。
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