連載 リレーエッセイ 医療の現場から
主治医に聞けない話
島屋 真希
1
1兵庫県予防医学協会
pp.159
発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102721
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
健康診断での診察中,「この薬,ずっと飲まないといけないのでしょうか」「これからどういう治療をしていくのでしょうか」と,主治医を定期的に受診されているにもかかわらず健診医に質問される方が少なからずおられる.「主治医の先生はどうおっしゃいましたか?」と聞くと,「聞けていないんです.お忙しそうで…」「なんとなく聞きにくくて…」などの返事が返ってくることが多い.忙しい,という意味では,健診においても受診者1人当たりの持ち時間は数分であり,診察にじっくり時間をかけられるという状況ではない.
では,彼らが主治医に直接質問しないのはなぜなのか.1つの理由として,健康診断は出張健診という形で行われることが多く,その場合,医療施設ではなく,受診者により身近な場所である公民館や職場,学校などで診察が行われることが挙げられる.つまり,医療施設という「アウェー」ではなく,彼らの「ホーム」に医師が来ることで,より質問しやすい環境を作っていると考えられる.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.