Generalist and Specialist
主治医の在り方を見直す
伊賀 六一
1
Rokuichi Iga
1
1東京都済生会中央病院
pp.375
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900420
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最近,医療の質を測る視点について私どもの病院に勤務する医師にアンケート調査をする機会を得た.その答えの中で最も重要とされたのが「患者を把握できる人間性」と「患者との信頼関係」であった.専門分化する現代の医療の中で,この言葉は日々の診療に携わる医師たちの実感から出たものとして私は受け止めることができた.
米国では「専門医」に対して「一般医」は「general practitioner」,すなわちGPという言葉で表現されている.しかもGPは1946年AMA (American Medical Association)でSection of General Practiceとして他の専門分野と同等な専門分野として認識されている.その背景には米国における医療の発展過程の中で医学教育,医療技術が高度な専門性にのみ主点がおかれ,医療における人間性の問題,倫理がなおざりにされ,日々の臨床から次第に遠ざかると同時に,医療費を高騰させ医療経済を脅かす結果をもたらしたことが大きな原因と考えられる.
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